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FC東京20周年

サポライター企画 #5 FC東京

text by mamo (@moeka0222) | Twitter

 

1999年、FC東京はJ2に参入した。私はあいにく当時を知らず、植田朝日さん著の「俺のトーキョー!  FC東京ラブストーリー」で、劇的なJ1昇格を果たしたことを後に知った。


時は2000年、ミレニアムイヤー。FC東京は初めてJ1のピッチを踏んだ。開幕戦の相手は、横浜マリノスJリーグ設立当初から数々の活躍を放ってきたマリノスに対し、ほぼ無名プレーヤーの集まりだった東京。しかし、下馬評を覆して勝利を収めた。これもまた、劇的だった。決してうまくない、スターのような選手もいない、ただただ泥臭くボールを追い求める。


当時高校1年生だった私は、そんな東京にみるみる惹かれていった。大金星と言われる勝利を収めた後も、一歩一歩、J1の舞台を噛みしめるように戦っていた。自分を信じて、仲間を信じて。慣れない高校生活に戸惑う私の心の支えは、そんながむしゃらに頑張る東京の勇姿だった。私も不器用なりに、目の前のことを精一杯頑張ろう。決してうまくなくたって、輝ける時は来るんだ…FC東京はいつもそんなことを教えてくれた。


当時FC東京サポは周りにほぼおらず、かつスタジアムも遠かったため、生観戦はほとんど行けなかった。それでも父親や母親を誘って、何回かだけ生観戦させてもらえた。その時流れた入場曲、「You’ll never walk alone(YNWA/ユルネバ)」。日本語で言うとかっこわるくなってしまうが、「キミは一人で歩いてるんじゃないよ」「いつも仲間が一緒だ」、そんな歌をタオルマフラーを掲げて歌うサポーターはとてつもなくかっこよかった。後になってリバプールの真似だと知るわけだが、そんなことどうでもいい。東京には東京のYNWAがある。


私も一緒になって歌いたくなり、初めて買ったグッズはタオルマフラーだったと記憶している。当時はグッズのバリエーションが非常に乏しく、タオルマフラーも1種のみ。でもみんなと同じタオルマフラーを持てたことが何よりも嬉しく、高校にも堂々と持ってっていた。


勉強にも忙しい学生生活だったため、FC東京の記憶は実は途切れ途切れだ。それでも必ず結果はチェックし、勝っては喜びを爆発させ、負けた時には泣いたりもした。泣いたといえば2004年ナビスコ杯決勝、クラブ史上初のリーグタイトルがかかった浦和戦。どうしてかバイトを優先させたがためにテレビ観戦となってしまったが、J1参入から応援してきたチームが、1人退場を出しながらも必死に戦い、あの浦和に、そうあの浦和に、PKで競り勝った。GK土肥のファインセーブ、初めてのトロフィーを満面の笑みで掲げる選手たち…PKの途中から涙が止まらなかった。これは現実なのだろうかとすら思った。翌朝、恐る恐る駅の売店へ向かい、「…トーチュウください」と言って人生で初めてスポーツ新聞を買った時のインパクトは今でも忘れない。


山あり谷ありの戦を経て、今年FC東京は20周年を迎えた。あいにくロシアワールドカップには誰一人として選ばれなかったが、その分、中断期間で強固にした絆やフィジカルには眼を見張るものがある。「万年中位」と言われ、とある日本代表選手には「部活サッカー」と揶揄された東京も、今は首位を追走している。レジェンドの思いを繋ぎ続けた石川直宏はクラブコミュニケーターとしてスタジアムで汗をかき、各クラブからの移籍組も今やすっかり東京の顔となっている。今こそ、歴史を変える時だ。


「戦え~俺の東京 今日も勝利を信じて~ 弾けよう飛田給~ 負ける訳はないさ」
いつでもサポーターはこのチャントを歌う。負けている時も、苦しい時も、暑い時も、寒い時も、いつもこの歌があった。いつスタジアムを訪れても変わらないチャントは、これからもきっと青赤の誇りとなってピッチを沸かすだろう。


2018年12月1日、悲願のリーグ制覇に向けて。
You’ll never walk alone.

 

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 text by mamo (@moeka0222) | Twitter

 

原の感想

泣ける。こんなに泣けるのか。

知らないチームのことを知るのも楽しいけど、知っているチームのことを改めて知るのはまたいい。2004年のナビスコの話のところは泣けるね。俺は全然泣かなかったんだけどw、そんな思いで次の日の新聞を買ってたというと泣けますね。

 

これは結構一個のパターンとして素晴らしいかもしれません。

今応援している若い人たちにとって、チームの成り立ちや昔の応援の雰囲気などわかるというのもいいかもしれませんね!25周年ですし、東京は20周年ですし、歴史の話はもっと知りたいなー。ぜひ期待してます

ありがとうございました!