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J3実況者から見た、FC琉球の凄いところ。

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FC琉球がぶっちぎりでJ3優勝を果たしました。

何個か琉球に関する記事を読んで、改めて強かったよな〜としみじみしております。

 

僕なりに琉球の素晴らしさを伝えたい、と思って久しぶりにブログらしいブログを書くことにしました。普通に思ったまま書くので、敬称略で呼び捨てでいかせてくださいw

 

基本フォーメーションはこちら

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パスサッカーじゃない

まず、よく琉球は「パスサッカー」とか言われるけど、僕の中では全然「パスサッカー」じやない。

パスはつないでいく方のチームだと思うけど、ポゼッションを大事にして沢山パスをつないでゴールを目指すというチームじゃない

 

僕に命名権があるとすれば

「めちゃくちゃゴールを目指しまくる、めちゃくちゃおもしろサッカー」だ。

ダサっ

 

とにかく全てのプレーのベクトルがゴールに向かっていて、それが雨の日も風の日も、0-0の時も負けてる時も勝ってる時も変わらない

運動量も単純に多くて、全員のベクトルがゴールに向いている。

 

「ベクトルゴールサッカー」がいいかも

ダサ

 

まぁとにかく、ゴールに向かう上でパスをつなぐこともあるし、ワンタッチを何本も使って崩すこともある。だからパスサッカーと言われることがあると思うけど、僕のパスサッカーのイメージとはだいぶかけ離れてる。

 

僕が今季の琉球にハマったのは6月アウェイの13節相模原戦。

忘れもしない。

たしか僕は普通に取材に行った。

相模原に対して5点とって粉砕した。あの時のサッカーは衝撃だった。内容は詳しく覚えてないけどw

とにかく衝撃だった。全然まだ首位とかじゃなく、試合前は5位で、この時期までで3敗していた。そんな時期だったけど、

 

2点3点とっても、琉球が負けてるんじゃないか?ぐらいの勢いでガンガンガンガン前に人数をかけていく。リスクはある。めちゃくちゃリスクがある。

 

その証拠に2点取られてるw

だけどサイドからクロスが入る時は、ペナの中に常に5、6人入っている状況があった。普通にワクワクした。なんでこのチームはこんなに攻めるんだろう。なんでこの人はこんなに点が欲しいんだろう、そんな風に思った。

 

僕の記憶だと、この前の試合から4141のフォーメーション金監督は使っていた。そこで僕は試合後の監督会見の時に思い切って手を挙げて質問した。なぜこのフォーメーションにしたんですか?と。するとキムジョンソン監督はとてもシンプルに答えてくれた。

 

「よりゴールに近いところに人数をかけたかった。」

この答えを聞いたときに僕は恋に落ちた。笑

 

なんてシンプルで分かりやすい答えなのだろう!

他の記者さんが誰だったか忘れちゃったんだけど、ある選手について聞いた時も

「守備面で不安はあるけど、それより彼のいい面がチームにプラスになっている」という発言をされていて、キムジョンソン監督の哲学と受け答えの雰囲気のファンになった。

 

結局このシステムチェンジがハマりにハマって、8節までで3敗したのに、その後1敗しかしていない。4-1-4-1にした12節長野戦から19試合で47得点。爆発的な攻撃力を武器にJ3のトップに立ち、他を寄せ付けず走りきった。

 

僕的MVPを2人あげさせてくれ

その相模原戦から、琉球の試合を全試合90分間みた。(まだ最新の群馬戦見てない。早く見たい)普通に毎回楽しかった。なんといっても魅力的なのが2列目富樫中川枝本富所。この4人だけで45点取ってる。そこに加えて、両サイドバックがめちゃくちゃ攻撃的だ。最初は徳元のオーバーラップからのクロスの質に惚れて、その後は西岡の何度上がってくるんだと言う上下運動に驚かされた。

 

1.2試合見ただけで徳元選手に惚れ、その時のブログがこれ↓

スカウトごっこ FC琉球 徳元悠平選手 - センスよ、降ってこい

この後もずっと継続してみながら、僕の目に狂いはなかったな、と、徳元選手を褒めるというより、自画自賛しながら見ている。

 

他にもフォワードに入った和田もデビューしてからすぐ点をとってチームに勢いを与えたと思う。小柄でスピードがあってゴール前の嗅覚に優れている。播戸選手との使い方も金監督はうまいなと思った。和田選手がちょっと調子を落とした時は播戸選手を先発させハーフタイムで代えるというやり方を3試合ぐらいやった。あそこからまだ和田選手のコンディションが上がったように思う。あれはどんな狙いの采配だったのだろうか?いつか機会があったら聞いてみたい。

 

その中でも僕がどうしても今年の活躍を評価せざるを得ないと思っている選手が2人いる。1人に絞れない。ちょっと長くなるけど、2人あげさせてくれ

 

1人目は小松駿太

本人は絶対に知らないだろうが僕の後輩だ。横河武蔵野Jrユース出身。紛れもなくぼくの後輩だ。マリノスユース、順天を中退してYSCCに加入。YSCCで見ていた時はもうちょっと攻撃的な選手なのかなと思っていた。今から考えると彼の良さが存分に出ていたとは思えない。もしかすると琉球に行ってから大きく成長したのかもしれない。

 

それまでのプレイをあまり知らないので何とも言えないが小松選手は琉球のアンカーポジション4141-1に完全にはまった。その証拠に金ジョンソン監督も最初ワンアンカーでパクリキ選手と迷ってた時もあったと思うけど、すぐに小松に大きな信頼を寄せ先発で使い続けた。これだけ多くの攻撃陣が前にかかる中でバランスを取ると言うのはかなり至難の業だ。セカンドボールも拾いまくっていた。

 

しかも攻撃にかかる時間も長いので、パスを繋いだり攻撃のスイッチになるような縦パスを入れたり、2、3人をすすっと外すようなプレイもしなくてはいけない。この超攻撃的なシステムは小松なしでは成立しなかったんじゃないかと思ってる。それぐらい毎試合毎試合小松はバランスをとって素晴らしいプレーを披露し続けた。得点やアシストと言う数字には現れない部分だと思う。先輩として誇らしい。関係ないけど

 

そしてもう1人琉球の中で僕の大好きなプレーヤー、センターバック増谷幸祐

天才だと思う。背は大きくない。いわゆるセンターバックタイプじゃない。だけどつなぐのがめちゃくちゃうまくて、キックもうまいし、プレッシャーを外すドリブルなんかも見事。普通のクリアボールも味方につなぐことができて、攻撃の起点になっていた。そして前にかかる分両サイドバックも上がるのでセンターバックの負担はとても大きかったと思う。

 

そんな中でカウンターの時は相手のスピードを殺して数的不利でもボールを奪っていた。

 

シーズンを通してビルドアップで琉球が常に主導権を握れる試合が多かったのも増谷の活躍は外せない。ここで取られない。本当に取られない。クサビの縦パスもすごいものが入るし、逆サイドへのサイドチェンジのロングキックもきれいなボールが飛んでいく。そして少し顔はかわいい感じなんだけど、どんなフォワードに対しても絶対に負けない強さがある。いつ見ても素晴らしいセンターバックだ。超現代的といってもいいかもしれない。

 

身長が高くないけどヘディングにも強さがあってたまに得点もとる。琉球がこれだけ相手を押し込む時間がシーズンを通して長かったのは、この増谷というセンターバックがいて、ビルドアップができて、リズムを作れたということが大きかったのではないか。

 

小松と増谷。どうしても前線の選手が目立つ今年の琉球の中で、この守備的な2人にMVPを送りたい。本当に素晴らしい活躍だった。

 

できることなら、この琉球のままJ2で戦うところを見てみたい

 

20代の前半から真ん中位の年齢でめちゃくちゃいい選手が揃っている。はっきり言って今シーズンの活躍を見ているJ1やJ2 のスカウトはたくさんいるだろう。来シーズンどれぐらいの選手が琉球に残るのかは誰にもわからない。だけどこのまんまの琉球で、J2ならどれくらいやれるのか?見てみたい気持ちがめちゃくちゃある。

 

またメンバーが少し変わってもキムジョンソン監督は必ず面白いチームを作るだろう。でもこのメンバーの奇跡的なハーモニーはこのメンバーじゃなきゃ出せないものだろう。ある意味奇跡だと思う。こんなに全てがハマって、僕が名前を出してない選手も全員が素晴らしいプレーをし続けていた。

 

その証拠に相手が対策してきて、うまくいかない展開でも勝ち切る試合が多かった。劇的に試合終了間際で点を取ったり、この間の長野戦みたいに追いついたり、その戦いぶりは僕を魅了して離さなかった。勝負強さもあった。選手たちが文字通り躍動していた。メラメラしているように見えた。サッカーを楽しんでいるように見えた。見ていてワクワクした。本当に強かった。そして面白かった。

 

2018年は、これからも永遠に琉球サポーターの中で語り継がれるであろう最高のシーズンの1つだろう。残り3試合、FC琉球の戦いぶりを堪能したいと思う。

 

これまでも、J3からJ2に行ったチームは1年目で十分J2でやれる。昇格1年目を調べてみると町田が7位、大分9位、山口12位、金沢12位、今年の栃木も現在17位。今年は開幕から山口が突っ走り、いま大分と町田は優勝争いしてる。はっきりいってJ2でもこんなに攻撃的なチームは少ないと。夢物語ではなく、ぜひプレーオフ争いぐらいまで絡んでほしいと思う。ホントにいけると思う!本当に毎週楽しかった。

 

 

J3はまだまだ昇格争いが熱い。鹿児島群馬沼津、それぞれ色のあるチームがバチバチぶつかり合います。ぜひこの試合はJ3サポじゃない方も、楽しんでいただきたい。琉球さんが抜けたおかげで1枠にひしめいてる。沼津は優勝という目標はなくなったし、昇格は出来ないけど、そんなことでモチベーションが下がるチームではない。鹿児島は自力があるし群馬も上げてきてる。目が離せない。ぜひJ3見てくれ。

 

琉球サポさん、関係者の皆さん、改めて優勝おめでとうございます。本当に楽しませてくれてありがとうございます。残りの試合、そして来シーズンJ2でも躍動してください!

 

 

ちばりよー琉球