>

平野将弘コーチに教えてもらったスモールサイドゲーム

f:id:fun-management:20190319161217j:image

 

カーディフ平野将弘コーチにまた指導者交流サロン限定コラムを書いてもらいました。今回はプロの試合を元に考えるスモールサイドゲームに関して。この考え方がまた面白いです。ここまで細かくデザインされているのか!!と驚くばかりのトレーニングメニューです。

その中でも僕がここで1番驚いたのはさらっと書かれていた「選手達が盛り上がる」という一文です。簡単にいうとウェールズvsオーストリアの代表戦のマネををして、子供達が戦術的にできる事を考えさせ、ヒントを与えて実際にスモールサイドゲームを行なっているようです。

「毎回週末の1試合の為に試合をしている訳ではありません」とコラム内に書かれていますが、もちろん週末の試合は大事だと思いますが、それ以上に子供達が盛り上がりモチベーションを持って取り組む練習というのは何より価値がある事だと思います。そこに向けてのアプローチとして「ウェールズの配置の変更と戦い方についての2点」について焦点を当てて子供達に考えさせて、実際にトレーニングを行なっているそうです。

これだけ聞くとかなり難しそうだと感じるかもしれません。『ウチのチームでは無理だよ』と思う方もいると思います。しかし、子どもが出来るようにしっかりと手助けされているのがさすがだなと思います。それはラミレートされた紙です。その紙に選手が「チャレンジすべき事」が書かれているそうです。面白いですね。それに向かって選手たちはチャレンジすればいいので、何をすべきかが整理して思い切ってチャレンジすることができます。個人でチャレンジする事、そしてチームでチャレンジすることです。そのラミレートされた紙もありがたいことに共有してくれましたので実際に見ることができます。

そしてそれだけで終わりません。その後も時間配分が決まっていて、ミーティングの時間もしっかりと設定されています。細かい時間配分などは僕が触れるところではないので触れませんが、これによって「チャレンジ」をただの「チャレンジ」で終わらせるのでなくそこから一歩前進していく設計になっています。

その時の指導者としての介入の仕方なども詳細に教えてくれています。もちろんそこには経験なども反映されるのだろうと思いますが、ここまではっきりチャレンジすることがチームでも個人でも決まっていると指導者としても相当やりやすいのではないかと思います。何を修正するのか、はたまた修正しないで考えさせるのか。そのあたりは目的がはっきりしているので指導者もやりやすさがあるのではないでしょうか。

ヨーロッパの指導の一端を知れることで、全てはコピー出来ないかもしれませんが(コピーする必要もないかもしれませんが)、自チームでもかなり参考になる部分はあるのではないかと感じました。このトレーニングが代表戦とつながっていると思ってプレーしたら単純にテンションは上がりますし、次にプロの試合を見るときに戦術眼も確実にステップアップするはずです。やはり色んな指導法に触れる事は大事ですね。今回も素晴らしいコラムをありがとうございました。